プールCのウェールズ対ポルトガル戦が9月16日、南仏ニースで行われました。結果はウェールズが28対8で勝利しました。
翌日にイングランド対ジャパンの試合が控えていたことから、日本人サポーターも数多く会場へと訪れたようです。
選手層がベテランすぎるウェールズ
強豪国と言われるウェールズですが、ここのところ経済的理由で選手がストを行ったり、かなり混沌とした状態が続いており、プレーも今ひとつ。成績も低迷が続いています。そんな中、今回のワールドカップ。メンバーは(かなりの)ベテラン選手がずらり。
一方、ポルトガルは、半分がアマチュアでプレーをするチーム。今回、敗者復活トーナメントから16年ぶりに漸く立ち上がってきました。前回出場した時は、予選リーグで全敗に終わりました。
過去ワールドカップ出場をかけて、ウェールズとは1度だけ対戦があります。その時は11-102と大差での敗北。
徐々に力をつけてきたポルトガル
そんなポルトガルが2019年から力をつけてきて、スペインやルーマニアから勝利を奪うまでに成長してきました。
その功績は、現監督、パトリス・ラジスケによるものです。彼は元バイヨンヌやビアリッツでプレーをしたフランス代表の名選手でした。その後、ビアリッツの監督に就任。優勝にまで導いた名監督です。ビアリッツは今でこそD2に在籍していますが、ディミトリ・ヤチビリ、ダミアン・トライユと言った名選手を数多く輩出してきました。
果敢さが魅力のポルトガルの攻め
そんなラジスケ率いるポルトガルがどんなラグビーするのか、とても楽しみにしていました。
いざ、キックオフ。ポルトガルは序盤からスピーディーにボールをつなぎ、果敢に攻めます。
正直、粗削りではありますが、なんとも魅力的なラグビーというのが第一印象でした。
しかし、漸く得たペナルティーキックを外したり、あと一歩というところまでボールを繋ぎながら、何度もウェールズのディフェンスに阻まれチャンスを失います。それでも、なんとか喰らいついて、前半14対3とウェールズのリードで折り返します。
点差がついてもトライに執念
後半、さらに点数が離されていく中、62分、ポルトガルが、ゴールラインまで5mでショート・ラインアウトを選択。セットピースが決まり、一気にトライ!
彼らの喜びようはまるで優勝したかのようでした。いろいろな思いがこみ上げていたからに違いありません。
そんな彼らのパッションは最後まで切れることはありませんでした。結果は28対8。
点数以上に面白い試合だったと思います。
ノーサイドで彼らが見せた悔し涙。いつか喜びの涙にかわるのも、それほど遠い日でもないかもしれません。
まだ、試合は続きます。次はジョージア戦です。
ひょっとするとひょっとするかもしれません。
ポルトガルチーム、是非、一人でも多くの人に感動を与えてほしいです。