【マッチ寸評】イングランド対日本戦

2023/09/22

プールDの試遊を決するイングランド対日本戦が9月17日、南仏ニースで行われました。お互い勝たなければならない試合です。

開始直後、日本はゴールラインでノックオンをし、窮地に追い込まれます。敵ボールのスクラムになんとか対応し、相手にペナルティゴール3点を許すにとどまりました。

日本は、攻守両場面でイングランドと互角に闘い、緊張感のある締まったゲームとなり、前半、リードされるも13対9で終えました。

ヘディングはノッコンにあらず

後半50分過ぎ、ジョー・マーラーの頭に当たったボールをノックオンと思った日本の選手たち、一瞬足が止まり、その隙をついてコートニー・ローズがトライ。ルールでは「ヘディングはノッコンではない」とされています。ただ、セルフジャッジはダメだろう、という議論が起きているのは皆さん周知の通りです。

このトライから、イングランドは一挙にギアを上げます。ラックからのボール出しのスピードがあがり、ボールの蹴りあいでは、徐々にイングランドが日本の陣地に攻め込んで行きます。

疲れが溜まってきている日本の選手たちにとっては、きつい状況だったと思います。

結局、最後ボーナスポイントの4トライ目を奪われてノーサイド。

ジャパンはよく戦った

ジャパンは負けたとはいえ、とてもいい試合をしたと思います。

試合後、松島幸太朗選手や松田力也選手が子供たちを連れてピッチを回っていたのがとても印象的でした。試合が終われば、それぞれ、みんな大事な家族のもとに戻ります。

それは、イングランドの選手も同じです。アルゼンチン戦でいくつものドロップゴールを決めたジョージ・フォード。彼のパートナーは、4歳の時にコソボから着のみ着のまま戦地を逃れてきた難民でした。

家族は英語が一言もしゃべれず、彼女の父親はレストランで働きながら、家族を養いました。

それを見て育った彼女は、いつか自分のレストランをやりたいと思い、一生懸命にお金を貯めて、今ではマンチェスターで4件のレストランを経営しています。

ジョージ・フォードにとって良きパートナーであり、彼もそんな彼女をサポートしています。